医療法人サカもみの木会 サカ緑井病院 - 広島市安佐南区・整形外科・骨折治療・腰椎ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症

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麻酔科

当院では年間700例以上の手術が行われており、その手術の9割以上が全身麻酔で行われています。病院を受診されても手術を受けなければ麻酔科が関与することはありませんが、いざ手術となると麻酔科と深い関わりが出来ますので我々の仕事を紹介してみます。

安全な麻酔を行うための取り組み
一般に麻酔科の仕事は手術室の中で麻酔を行っているだけだと思われていますが、実は手術が決まった瞬間から我々の仕事は始まっています。まず、今までの病気(既往歴)、手術歴、アレルギーの有無、現在治療中の病気について問診票を書いていただき外来看護師がお話を伺います。高齢の患者さんは持病のため複数の薬剤を内服しておられることもあり、その中には麻酔薬と相互作用をするために手術の前から中止したり逆に中止すると病状の悪化を起こす可能性のある薬もありこれらを麻酔科医が正確に知っておく必要があります。
特に抗血小板薬、抗凝固薬(いわゆる血液をさらさらにする薬剤)は手術の際、出血が止まらなくなるため休薬する必要があります。脳梗塞や心筋梗塞の予防のために内服中の薬剤を休薬すると病気が再発する可能性があるためこれらの薬剤を処方されている医師に休薬が可能かを問い合わせ執刀医とも相談して最短の休薬期間で手術が出来るように努めています。

術後の痛みを和らげる取り組み
当院では術後を和らげるいわゆる鎮痛法を積極的に取り入れています。現在麻酔科の領域で注目されているのがマルチモーダル鎮痛といって複数の鎮痛法を組み合わせて出来るだけ副作用が少なく効果のある鎮痛を得ようという方法です。
一般に使用されている鎮痛解熱薬は胃炎、胃潰瘍や腎機能障害を起こす可能性があります。当院ではほぼすべての手術患者さんに胃腸障害を起こす可能性が低い鎮痛薬を定期的に内服して頂き、手術の際にはエコーガイド下神経ブロックを行い、さらに痛みが出た場合は強めの鎮痛薬を少なめに使って頂くという方法を行っています。エコーガイド下神経ブロックは超音波診断装置で神経の位置を確かめながら局所麻酔薬を神経の周りに注入するもので、神経や血管を傷つけることなく的確に薬剤を注入できます。脊椎手術以外のほぼすべての患者さんにエコーガイド下神経ブロックを行っています。股関節の人工関節手術では持続硬膜外麻酔を行っています。これは腰の背中側から注射をして細いカテーテルを脊髄の周りにある硬膜外腔に進めて手術の後3日間、局所麻酔薬を持続的に注入する方法で、強い鎮痛効果があります。手術の部位と患者さんの状態によりこれらの鎮痛法を組み合わせて可能な限り手術後の痛みが軽くなるように努めています。
当院では日本麻酔科学会が作成した「麻酔のしおり」をお渡しして患者さんの理解を深めるよう務めています。手術前に麻酔を担当する医師が訪問したときに麻酔に関する疑問があれば気軽に何でもお尋ね下さい。

麻酔科担当医

  • ドクター

    木下 博之京都府立医科大学
    日本麻酔科学会指導医・専門医

    安全で術後の痛みや負担が少ない麻酔をするように心がけています。
  • ドクター

    亀山 実希
    日本内科学会内科認定医
    日本麻酔科学会麻酔科専門医
    日本心臓血管麻酔学会専門医

    安心して手術を受けていただけるような麻酔を心がけております。